安全な水が飲めなくなる日まで
こんにちは!
テレワークで腰痛がひどいりょーです。
最近暑くなってきましたね!
去年の夏は転職活動をしていたので、スーツはホントきつかった(笑)
自販機でしょっちゅう水買うてました(笑)
ということで、そんな生活に生きていく為に必要不可欠な水について
書こうと思いました。
早速いきます!
水道民営化について
2018年12月に国会で水道事業が民営化されることが可決されました。
通常、家庭や飲食店で蛇口から出てくる水は、水道局が水をろ過して、飲み水に変換して、供給してくれています。
しかし、民営化になったことにより、一般企業が水道局の事業に
参入してくることが可能になりました。
これは、一見、運営者が変わるだけで、自分たちに何の問題もないのではと、思うかもしれないが、命に関わる大問題です。
今回は、何が問題なのか解説したいと思います。
そもそも、なぜ民営化になったのか?
現在、日本の水道管の大半は、高度経済成長期に設置されているものが多く
水道管の耐用年数は、40年と言われています。
現状、40年以上経過しているにもかかわらず、
水道管の修繕ができていない市町村が多く存在しています。
特に地方です。最近では、ニュースで取り上げられれている北海道などが取り上げられていました。
政府は、耐用年数が及ぼす危険性、経営基盤の強化を図る為に
企業の経営ノウハウを取り入れることでの水道局の経営の安定、
企業の投資金で修繕費の確保を目的に民営化を可決しました。
簡単に説明するとこのような感じです。
詳しく説明していきます。
まず、水道事業者ですが、全国に1355事業所があるそうです。
その中で給水人口五万人未満の小規模事業者は、7割およそ950になります。
この小規模事業者は、少子高齢化の勢い、財源確保が困難等の理由で
自力で経営をするのが難しい状況であるところがあります。
政府は、そのような状況を打開するために、
民間事業に運営を任せ、経営をしてもらう施策を採用しました。
何のために民間企業に運営を任せる?
大きく2つです。
- 民間に運営(投資)をしてもらうことで、財政負担を減らし、修繕などを
してもらうため。
利用者からのお金だけでは、運営が困難な地域でも、安全な水を提供するために活動して欲しいため。
- 民間企業の経営ノウハウを学び、今後、長期的に安定的な経営体制を
築いて欲しいため。
運営困難な事業所に今後自力で運営できる力をつけさせるため。
しかし、なぜ、水道管の耐用年数が分かっていながら、
今まで、修繕工事をしないのか?と思う人もいると思うと思います。
それは、前述したように、経営が困難な事業所は、工事をしようにも、
お金がないので、修繕ができません。
水道事業所は、税金で運営しておらず
給水を受けている人から水道使用料金を徴収して、
そのお金で運営しており、その形態は普通の会社です。
運営するためには自分たちで資金を賄い、そのお金を事業資金や諸経費に
あてているので、使えるお金は簡単にはでてきません。
多くの人は、水道事業所も役所関係だから、自分達の税金で
動いていると思っていたと思いますが、実際は、そうではありません。
僕自身も、知るまで水道は役所関係なので、税金で動いてると
思っていました。
役所管轄だけど、運営は自分たちでやってね、というニュアンスだと思います。
どうして、経営困難な事業所があるのか?
それは、人口が少ない市町村の事業所は、売上(水道使用料金)も少額だから
です。(利用人口も少ないから)
ですが、事業所を運営するためには、お金は必要です。
水を供給できなくなってしまっては、市民たちは、大混乱になります。
そんな、運営だけで精一杯のような状態が
積み重なった結果、40年間水道管が修繕できなかった理由に繋がると思います。
ちなみに、水道管1㎞あたり、1億円も費用が必要と言われています。
そう考えると、いかに、修繕が難しいかが分かる気もしてきます。
なぜ今、今この問題がでてきたか
要因としては、
2018年に起きた、大阪北部地震、北海道胆振東部地震があります。
大阪北部地震は、僕も発生時、大阪駅におり、天井から土ほこりが落ちてきて、
潰れるんじゃないかと、思って怖かったです。
吹田の家に帰ってみると、皿が落ちていたり、ガス・電気は使えなかったので、冷房無、風呂は真水で浴びた経験をしました。
幸い、僕の自宅は、水がでましたが、地域によっては、水道管が破裂、断水を起こし、被害がひどかったです。
北海道胆振東部地震も被害が大きく、電気やガスが止まったりと大変な被害を受けていました。
特に北海道の場合、死者が50名ほど出るほどの被害でした。
テレビでも大々的に取り上げていたので、かなり、騒がせていたと思います。
この時、老朽化もあると思いますが、耐震対策がされていないことが被害拡大の要因ではないかと問題視されました。
政府は、今後を長期的に踏まえたうえで対応した結果、今回の民営化を行いました。
コンセッション方式とは?
今回、水道民営化法で、公的機関である水道事業所に
民間企業が参入することが可能になりました。
本来、このように、民間事業に運営を譲渡する民営化はダメでしたが、
今回、コンセッション方式を採用して可能にしました。
コンセッション方式は、水道事業所、空港、など公的機関に施設の所有権を残したまま、運営を民間事業者に行ってもらう方式です。
全ての市町村もそうなるのか?
これは、各市町村が必要と判断すれば導入できる制度なので、
全ての市町村が当てはまるわけではありません。
水道事業所が何の問題もなく運営できていれば、
導入することは、しばらくはないと思います。
導入したらどうなるか
期間がまだ短いので、判断ができません。
ただ、海外では、価格が高騰して再度、公営化に戻しているところが多いです。
例ですが、
フランス・パリでは30年で水道料金が5倍に
同国ニースでは、設備の老朽化を放置したために漏水率が30%になり
どちらも公営化に戻しました。
ボリビアでは、流血沙汰になり水戦争にまで発展しています。
また、アメリカ・トランタでは民間企業と水道事業のコンセッション契約をしたが、20年の契約終了を待たずに、4年で契約解消に至っています。
民間企業が参入したら価格が高騰する理由
民間企業は、利益を出さなければいけません。
公共機関とは違い、株主という存在もいます。これらを利用者からのお金で賄おうとすれば、負担が大きすぎて、設備投資や修繕にかけるお金が足りません。
修繕などができなくなれば、老朽化が放置され、飲み水が汚水に変わり、
安全な水が飲めなくなり、命の危険性が出てきます。
逆に設備投資や修繕をしようと思えば、お金が不足するので、値上げをして、
利益の確保をします。
値上げで問題なのが、いくら値上げをしようと
市町村に競合他社の水道事業者がいない環境なので、独占状態になり、
価格の上限もなくなってしまうことになります。
余談ですが、
修繕がされないということは、上下水道関連製品のメーカーも売り上げ
打撃を受けることになるので、景気にも影響は出てくるかもしれないです。
結果、価格高騰で、料金が払えない人は水道が止まり、
修繕をなおざりにして安全な飲み水が確保できなくなり、
公営化に戻すということになっています。
おそらく、これを見て頂いた方は、他のページも見ていると思いますが、
似たような予測になっているかと思います。
ちなみに、これが政府の回答です。
https://www.mhlw.go.jp/content/000467081.pdf
経営困難な事業所だけの問題じゃない?
自分の市町村は、発展しているから大丈夫というわけではない恐れもあります。
民間企業は、利益目的が第一です。
日本は、経営困難な事業所を救う手立てで今回の水道民営化を可決させました。
コンセッション方式は、全ての地域に該当します。
別に儲かりそうなところに参入したらダメなんて決まりはありません。
発展している地域は、それだけ潤っているという事になります。
当然、商売して儲かる確率も高いです。
参入する可能性は少ないと思いますが、導入の風潮がでれば、外資系の水会社が参入してくる可能性も考えられます。
ちなみに海外の事例で参入したのは、ほぼ、海外の大手水会社です。
最後に
今回の民営化がいつから本格的に動くかは、現時点ではわかりませんが、
海外の事例を見る限り、安心はできないです。
だからといって悪くなるということもなく、ないと思います。
けれど、何も知らないよりかは、知ったうえで過ごしたいなと思いました。
政府には、国を守ってくれることを期待したいですね。